【南フランス・ペズナス】ガイドブックに載らないアンティークの街で、暮らすような旅を

ペズナスの旧市街

はじめまして。yuraです。

このブログを開設して、初めての記事を何について書くか。たくさん綴りたいことがあり、迷ってしまいました。

でも、私の“暮らすような旅”の原点である南フランスのある小さな町の話から始めようと思います。

ぜひ最後までお読みいただけたら嬉しいです。

パリやニースじゃなくて、ペズナス。

私が初めてペズナスを訪れたのは2014年の3月のことでした。

その当時、学生ビザを取得しフランスで生活していた私は、トゥールや南仏での滞在を経て、パリで語学学校と刺繍の学校に通っていました。

さらにパリコレにも参加している、あるブランドでスタージュ(職場研修・インターンのこと)もしていました。

学業と仕事と、常に学びに追われる毎日。楽しくもありましたが、私のフランス語はつたなく、目指す学びには追いつけず、疲れていました。

そして自分の無力さに「フランスで何してるのだろう…」とい気持ちになり、もう日本に帰ろうと思いました。

しかし、ビザの滞在期間はまだ残っている。「残りを楽しもう!何しようかな?」と考えていました。

そんな時見つけたのは、フランスの情報サイトに載っていた、南フランスの小さなレストランの求人でした。

そして、その小さなレストランがある南フランスの小さな町が「ペズナス」でした。聞いたことのない町の名前。観光雑誌でも見たこともないし、よく知らない町。しかし、なぜか心惹かれました。

そして私は「ペズナス」へ行くことを、すぐに決めたのでした。

パリやニースではなく、ペズナス。落ち着いてゆったり過ごせる小さな町が私にはちょうど良かったのです。

※この記事は、2014~2023年に訪れたときの体験をベースして“暮らすような旅”を視点にまとめています。2025年6月現在の情報を加筆してお届けします。

ペズナスの町
Pezenasの旧市街。
目次

南フランスのガイドブックに載らないアンティークの町【ペズナス】

ペズナスって、どんな町?

ペズナス(Pézenas)は、南フランスにあるラングドック・ルーション地方( Languedoc-Roussillon)・エロー県(Hérault)にある小さな町です。

地中海にほど近く、モンペリエからバスで1時間半ほどの場所にあります。

日本のガイドブックでは見たことないけれど、実はちょっとした観光地区でもありました。笑

17世紀に活躍した喜劇作家「モリエール」が一時期、訪れ過ごした町で、いまも旧市街には石造の中世の町並みが残り、ところどころにモリエールの名残りがあります。

土曜日には広場でにぎやかなマルシェが開かれ、通りにはアンティークショップがいくつも並び、年に2回大きな蚤の市が開かれます。

何世紀も前の建物の中に、今の暮らしが溶け込んでいて、古くても愛着のわくものを大切にする、そんな丁寧や暮らしが似合う町。カラフルな扉や草木や花など、南仏らしい雰囲気もあってとても可愛らしい町です。

ペズナスの旧市街。可愛い扉の家。
Pezenasの旧市街。可愛い扉の前で。

暮らすように旅するペズナスの時間

キッチン付きの宿で、マルシェの朝を楽しむ

2023年にペズナスを訪れた際に泊まった、旧市街の石造りのアパートメント。キッチンも洗濯機もあって、まるでペズナスで暮らしているかのいるような感覚を味わえます。

最近はこういったアパルトマンタイプのお宿も多く、他のホテルと同じように宿泊予約サイトで、簡単に予約できるので、とっても便利ですよね。

マルシェやパン屋さんで、オリーブやトマト、羊のチーズ、焼きたてのパンなど手に入れて、アパルトマンのテラスで朝ごはん。バゲットを頬張り、ゆっくりと紅茶を飲む時間は、「日常の延長」のようであり、しかし、しっかりと旅の特別な時間も感じることができます。

ペズナスに限らずフランスは歩けばすぐにパン屋さんが見つかります。朝の散歩がてら、お気に入りのパン屋さんを見つけるのも楽しいですよね。

とても素敵なテラスで、気持ちの良い朝を迎えることができました。また別の記事で、アパルトマンについてもご紹介したなと思っています。

アパルトマンのテラスで朝食。
アパルトマンのテラスで朝食。
朝食。
ある日の朝食。

アンティーク通りで、宝探しのような午後

午後はアンティークショップ巡りへ。ガラスの取っ手、リネンのクロス、古い絵葉書…。日本ではなかなか出会えない古道具たちとの出会いは、まるで宝探し。

「Av. Aristide Briand」や「Av. Verdun 」の大通り沿いに何軒もアンティークショップが並んでいます。

フランス語が話せなくても大丈夫。「Bonjour ボンジュール(こんにちは)」と笑顔で入れば、やさしく迎えてくれます。

値段は手書きのものも多く、ちょっと読みにくいかもしれません。笑

本格的なアンティークのものもあればガラクタ市の古道具のようなものもいっぱい。意外とリーズナブルなものもたくさんあります。

自分の「好き」にまっすぐ向き合える時間て、日常あまりなくて、とても良い時間を過ごすことができました。

私はペズナスのアンティークショップで、絵葉書、アンティークの生地、カトラリーやカップ、航海で使いそうな望遠鏡など、お迎えしました。

そして年に2回「グラン・デバラージュ」Grand Déballage と呼ばれる大きな蚤の市が開催されます。

この蚤の市は、「avenue de Verdun 」の通りに沿って約1キロメートルにもわたり、200以上のお店が並びます。家具、アンティークのリネン、ジュエリー、食器、絵画、アクセサリー、アフリカ美術、時計、書籍、ポスターなど、とても多くの魅力的な品々が並び、見て回るだけでも本当に楽しいです!

私がこの「グラン・デバラージュ」を見て回ったのはコロナ禍以前のことなので、またこの蚤の市の日に訪れたいと思います。

ちなみに2025年の開催は5月4日(日)と、次回10月12日(日)です。

 Aristide Briand通りにあるアンティークショップ
Aristide Briand通りにあるアンティークショップ。
Verdun通りにあるアンティークショップ
Verdun通りにあるアンティークショップ。

テラスのカフェと、夕暮れのワイン。

歩き疲れたら、カフェのテラス席へ。フランスのカフェは必ずと言っていいほど、テラスがあります。

テラス席で石造りの町並みを眺めながら、カフェオレでほっと一息。カフェ(コーヒー)に憧れますが、ブラックは苦手な私。ミルクたっぷりが好みです。

ペズナス旧市街の入り口にあるカフェのテラスから
Pezenas旧市街の入り口にあるカフェのテラスから。

カフェオレにクレープでちょっとお腹を満たしてから、また路地を散策したり。

そして夕暮れ前に、夜ごはんの食材とワインを求めてスーパーマーケットへ。

ペズナスのある、ラングドック地方はワインの産地としても有名です。Les Caves Molière 大きなワインショップもありますが、ワインの産地だけあって、スーパーマーケットにもたくさんのワインがお手頃な値段から手に入ります。

私もワインには詳しくないのですが、夕暮れのアパルトマンのテラスで味わいたくなって。オリーブや生ハムと一緒に、アペリティフを楽しみます。

観光名所をめぐる忙しい旅とは違う、“何もしないこと”の豊かさ。誰かの暮らしにそっと混ぜてもらうような、そんな旅の楽しみ方もできるようになった私。ちょっと大人になったのかな。

ペズナスの夕暮れ
Pezenasの夕暮れ。

ペズナスで訪れたいスポット

  • アンティーク通り(「Av. Aristide Briand」や「Av. Verdun 」)
    大通りにいくつもの個性豊かな古道具屋が立ち並ぶます。
  • 土曜マルシェ(Cours Jean Jaures周辺)
     毎週土曜。食材や雑貨、花などたくさんのお店が立ち並びます。お昼過ぎになると片付け始めるお店もあるので 午前中の早めに行くのがおすすめです。
  • ヴュリオ・サン=ジェルマン博物館(Musée de Vulliod Saint-Germain)
    19世紀から20世紀にかけてサンジェルマン伯爵夫人の邸宅の貴重な室内空間を垣間見ることができます。地元の歴史やモリエールに関する展示も。
  • ワインショップ「Les Caves Molière」
    地元ワインの専門店。試飲もできて、おすすめ。

“訪れたいスポット”はたくさんあるので、また別の記事で詳しくご紹介していきたいと思います。


心のどこかに「ペズナス」を

日常は仕事や家事に追われがちで、ついつい慌ただしく過ごしてしまいますよね。

そんな時、ガイドブックに載っていない南仏の小さな町へ、そっと出かけてみるのはいかがでしょうか。

ペズナスは「何もしない贅沢」を満喫できる町です。

旅先で自分を取り戻したいとき、“暮らすような旅”のスタイルはおすすめのひとつです。

これから、「暮らすように、旅する。」の記事を書いていきますが、ぜひあなたのご意見やご感想をいただけましたら嬉しいです。今後もどうぞよろしくお願いいたします。(ご意見ご感想はお問い合わせから送ってくださいね。)

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